フカブロ

音楽とお笑いとたまに小言をおしゃべりします

ドキュメンタルの話

こんにちは

最近は自分の投稿した記事を

読み返しているのですが

なかなか張り切った論文を見つけたので

公開しようと思います

 

タイトルは「ドキュメンタル論」

ドキュメンタルに否定的な視聴者に向けて

一石投じる内容となっております

去年の1月に書いたものですので

少し情報の修正を行っておりますが

興味を持っていただけたらと思います

 

ドキュメンタル論

松本人志プレゼンツ・ドキュメンタルの

魅力を伝えるべく、全シーズン2回以上

視聴しているファンとして筆を走らせようと思う

 

企画の設定として、

芸歴や事務所問わず招待された芸人10人

それぞれが100万円を持参し密室で笑わせ合う。

制限時間は6時間で2~3回笑ってしまうと退場、

最後まで残った芸人が賞金の1000万円を

手にするというシンプルな構成だ。

 

と、あえて企画の説明をしてみたものの

テレビCMや電車の広告などで宣伝されている

こともあり企画自体の認知度は高い。

しかしレビューを見ると残念なことに

つまらない、下ネタがきつい、低レベルだ

などの否定的な意見が目につく。

確かにこの意見は否定できない。

ファンを公言している筆者でも

目も当てられない苦しい場面があるのは確かだ。

筆者のような、よほど下品な人間でもなければ

不快に思う場面が多くあるのも理解できる。

 

理解した上であえてこの層に一石を投じたい

というのがこの論文の目的である。

 

振り出しに戻るようだが、ドキュメンタルとは

「ドキュメント」と「メンタル」を

掛け合わせた造語である。

いきなり無秩序の密室に放り込まれ、テレビ番組や

舞台で通用していたボケが全く通用しなくなる。

全7回にわたるシーズンの中には、

何でそれで笑う?と疑問に思う場面も

少なくないが、それは出場者しかわからない

空気というものがあるのだろう。

(#3味覚が変わるタブレットが舐め終わらない

極楽山本に吹き出すロバート秋山

#6スリム真栄田の金玉無数病で

たがが外れたように笑うジミー大西など)

 

出場者のコメントを聞くと、

何が面白いのかわからない、不思議な空間だと

皆が口を揃えて言うのだ。

今までテレビ等で通用した笑いが通用しなくなる、

逆を言えば、テレビで見ていた笑いを求める視聴者の

期待に添えないのは当然なのかもしれない。

これは逃げの弁論だと取られても

否定できないのだが、これは松本人志の実験であり

完成されたお笑い番組ではない、

芸人のドキュメントなのだ。

 

単純な面白さなら完成したネタや

バラエティー番組の方が安心して楽しめる。

芸人のボケツッコミを表面的に見るのではなく、

この状況で、芸人は何が面白いと考えるのか、

実際何が面白いのか。何で笑いが起こるのか。

出演者と一緒になって、

状況の中から面白を探してみるのもひとつ。

先に挙げた一部もしかすると大部分の層には

ぜひそういった視点で見て欲しい。

 

大前提として、お笑いが好きで、芸人をリスペクト

していないとそう見るのは難しいのかもしれないが

その視点で見た瞬間、

楽しみ方の幅がぐっと広がるのだ。

 

普遍的なバラエティー番組だったら

早送りするようなシーンの中に数え切れないほどの

面白が見つけられる。何気ない会話や、

弱すぎる千鳥ノブ(#4)、何もしないスリム内間(#0)

などが面白くてたまらない、筆者のような

ゾーンに入ってしまった中毒者にも

少しは共感できるだろう。

 

もうひとつ、気になる意見として警告のジャッジが

曖昧で、納得できない、というものがある。

例を挙げれば終始ニヤケ顔のジュニアには甘く、

ほんの少し表情崩した程度のザコシショウには

厳しく警告を出すといった、

ジャッジの基準がプレイヤーによって

曖昧だというものがある。

確かにその通りで、初見の視聴者にとっては

誰もが感じる点なのかもしれない。

しかしそれは、この企画をゲームとして

見てしまっている人の意見ではないだろうか。

確かに、制限時間やルールがある以上、

ゲームであること間違いない、しかし繰り返すようだが

これはドキュメントなのである。

もし仮に、もっとシビアにジャッジするとなれば

ジュニアやフジモンサバンナ高橋、千鳥の2人などは

開始1時間もしないうちに退場となるだろう。

サッカーでいう守備的ミッドフィルダーの彼らが

いなくなれば、単調なロングシュートばかりで

それこそ目も当てられない、

強引なネタ合戦となるだろう。

(くっきーやザコシはそれでもゴールを決めるから

恐ろしいのだが)

しかしそれでは松本人志の実験の本質からは

ズレたものになる。

 

この企画においてのルールは、

番組として成立させるための枠組みでしかない。

正味のところ、実験を遂行するためには

そんな細かいルールはどうだっていいのだ。

 

ここまで偏見を交えつつ分かったような意見を

述べてきたのだが、これから見る人には

何も難しく考えず楽しく見てほしいというのが本音だ。

個人的なツボで、今後の再出場も期待している芸人が

ロバート秋山、オードリー春日、ダイアンユースケ、

バナナマン日村あたりだろうか。

これだけ語っておいて落胆させるような話だが

存在自体が面白くて、

筆者の心を掴んで離さなかった面々である。

思いきったボケや尺の使い方などが

テレビと違ってリアルに、そしてダイレクトに

伝わってくるのもひとつの見所ではないだろうか。

 

現在、シーズン8が公開されるという発表は

残念ながらされていない。

 

今後松本人志と芸人達はドキュメンタルを我々に

見せてくれるのか

期待に胸は膨らむばかりである。